[Q] そもそも、一度決めた養育費を離婚後に減額することができる?
[A] 元夫婦の離婚後の経済状況やその他の状況によって養育費を減額することができます
※以下、このページでは、このページをご覧になっている方が養育費をもらっている母親であることを前提に記載させていただきますのでご了承くださいますようお願いいたします。
離婚後に養育費を減額することができる場合とは
養育費の金額を決める要素が変わった場合に養育費の金額を減額することができます
養育費の金額を決める要素とは…
- 養育費を支払っている方の年収
- 養育費を支払ってもらっている方の年収
- 子供の人数や年齢
- その他、再婚など離婚後の状況
つまり、元夫が再婚して子供ができた場合などには養育費の金額を減額できる”可能性”があります
”可能性”と記載させていただいたのは、あくまでも必ずしも元夫の主張に応じる必要がないということです。
また、元夫の主張する金額に応じる必要がないということです。
とりあえずは、今のところは「養育費を減額して欲しい」と言ってきているだけのことです。
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養育費の減額に応じる必要があるケースも多いと思われます
養育費の減額に応じる必要があるケースとは
養育費の金額を決める要素を考えると…
- 子供を育てている母親の年収が上がった
- 元夫が再婚して子供が生まれた
- 元夫の年収がほとんど変わっていない、または年収が下がった
- 子供を育てている母親が再婚した
このうちの2つまたは3つに該当すれば養育費の減額に応じなければいけなくなる可能性が高くなります(もちろん1つでも該当すれば減額の余地があります)。
つまり、元夫の主張に妥当性があるということです。
養育費の減額に応じる必要があるとしても、必ずしも元夫が主張している金額に応じる必要はありません
つまり、養育費の金額が妥当かどうかということです。
このことは非常に重要です。
冷静に話し合う必要があるでしょう。
少し話が変わるかもしれませんが…
離婚後の事情によっては養育費を増額することもできます
上記の養育費を決める要素の中で、離婚後に養育費を増額できる要素として、わかりやすいケースは…
- 元夫の年収が大幅に上がった
- 子供を育てている母親の年収が変わっていない、または下がった
つまり、養育費は増額もできるということです。
もっと言えば、養育費を増額すべきなのに増額していなかった可能性もあるということです
このことも重要です。
養育費の金額は増額も減額もできますが、実際には一度決まった金額を変えるのには抵抗があるのも事実です
だから、養育費の減額に応じたくないことは当然です。
あなたが間違っているわけではありません。
養育費を上げて欲しいと言っても、元夫は応じてくれなかったかもしれません。
そもそも、そういうものだと思います。
元夫が再婚して養育費を減額して欲しいと言ってきた場合に元夫に伝えること
元々の養育費の金額が相場の金額よりもかなり低い金額だったけど、その金額で納得してきた
離婚時に養育費を決める際には、どうしても養育費の金額は低くなりがちです。(もちろん、逆もありますが…)
養育費算定表の養育費の相場を参考にすれば、もっと多くの養育費を受け取れていた可能性が高い場合にはこのことを主張することもひとつの方法です。
養育費の相場(養育費算定表)について詳しくはこちらをご覧ください
養育費算定表の養育費の相場よりも明らかに低い金額の養育費だった場合には、あなたの主張に妥当性がありますので、「元々、養育費の金額が低いのに、この金額をさらに下げるのは難しいと思わない?」と伝えていただければいいと思います。
ただ、それでも養育費の金額を少しは減額しなければいけなくなる可能性があることはあるでしょうから、減額幅を小さくすることを念頭に置いて対応していただくといいでしょう。
離婚時と比べて、年収が上がってるよね?
養育費の金額を決める要素の中に、お互いの年収ということがあります。
特に元夫が大手企業などで働いている場合には、比較的、年収が上がりやすいと思われますので、年収のことを主張できる場合には主張していただいていいと思います。
ただ、あなた自身の年収も離婚時と比べて上がっている場合には、元夫もそのことを主張してくる可能性がありますので、その点は注意が必要だと言えるでしょう。
子供の年齢が上がって部活や塾の費用が多くかかっている
子供が中学校や高校に入れば部活や塾の費用が多くかかるようになりますので、母親の年収が少しくらい上がったとしてもあまり余裕がないということも多いでしょう。
それどころか、大学進学など将来のことを考えると養育費の減額に応じるとしても大幅な減額に応じるのは難しいというのが本当のところだと思います。
そのことをわかってもらえるように冷静に話し合うことが大切です。
再婚した奥さんの収入がある
おそらく元夫は今の奥さんが子育て中などで収入が少なくなっているから養育費を下げて欲しいということを言ってきているのだと思われます。
そのことは理解してあげたほうがいいでしょう。
そうしなければ話が前に進みません。
ただ、今は奥さんが子育て中でも、今後、職場復帰する予定がある場合にはその時には養育費の金額を元の金額に戻してもらうという約束もしてもらうほうがいいでしょうし、仕事を退職した場合でもパートなどができるようになれば養育費を戻してもらうように約束してもらうほうがいいでしょう。
そちらの状況は少しは理解しているつもりだから、こちらの状況も理解してほしい
いずれにしても、お互いの歩み寄りは非常に大切です。
養育費を支払うほうも支払ってもらうほうも、お互いにできるだけ納得できたほうがいいと思います。
感情的に対立してしまっては話が前に進まなくなります。
離婚時に公正証書を作成していますか?
公正証書は非常に重要な”武器”になります
ご存知だと思いますが、公正証書というのは、養育費などの支払いが滞った場合に相手方の給料や財産を差し押さえることができるという効果あります。
離婚時に公正証書を作成していない場合には、養育費の減額に応じなければ養育費を支払いをストップされてしまったり、勝手に減額した金額を支払ってくるということになりかねませんが、離婚時に公正証書を作成している場合には、元夫は養育費を支払わなければ差押えをされてしまいますので、とりあえず公正証書に記載している養育費を支払わざるを得ません。
つまり、養育費を支払ってもらうほうの立場としては、少し有利に話を進めることができます。
ただ、あまりに強気に話をしていると、元夫から調停を申し立てられてしまい、自分の予想外の結果になってしまう可能性もありますので、そのあたりはうまく様子を見ながら話し合いをしていくことが重要です。
離婚時に公正証書を作成していなかった場合には、養育費の減額に応じる代わりに公正証書を作成してもらうということでもいいでしょう
離婚後は公正証書を作成できないとお考えの方もいらっしゃるようですが、例えば離婚後10年が経った後でも養育費の支払いについての公正証書を作成することができます。
今後、ずるずると養育費を減額されたり支払いが滞ったりすることを防ぐためにも公正証書を作成することをおすすめいたします。
公正証書作成費用は元夫に負担してもらうように提案してもいいでしょう。